日本の伝統的な「お雛(ひな)さま文化」に焦点を当てた「『日本のお雛さま文化交流会』inやまがた出羽の國(くに)庄内」が8日、酒田市の東北公益文科大公益ホールで開かれた。県内外で雛人形の展示・公開にかかわっている人たちによる講演やパネルディスカッションなどを通じて、日本人の雛人形に寄せる思いや雛人形を介した地域間交流の可能性を考えた。
この交流会は、庄内観光コンベンション協会(会長・富塚陽一鶴岡市長)が2006年から開き、今回が3回目。同協会が取りまとめ役となっている広域観光イベント「庄内ひな街道」の一環として、庄内地方のお雛さま文化の発信、交流の拡大などを図るもの。後藤靖子副知事らの来賓や、長崎、広島、滋賀、長野各県の団体など、県内外の約400人が参加した。
はじめに吉徳資料室の小林すみ江室長が「雛人形 にし・ひがし」と題して基調講演。「人形は暮らしの中から生まれた、体温のある生活文化のかたち」とした上で、流し雛などに見られる「災厄をはらうもの」としての人形をはじめ、時代や地域性を反映する日本の人形の歴史を紹介。「人形は日本人が長い年月をかけて作り上げた宝物。若い人が受け継がないと滅びる。伝統も大事だが、より柔軟に考えて」と時々刻々と変わる人形の形より、人形をはぐくんできた心を伝える大切さを強調した。む
続くパネルディスカッションでは、鳥取県用頼町ふるさと振興事業団の池本茂晴理事長、京都府の本鏡寺門跡百々御所文庫の田中正流学芸員、東京都中野区立歴史民俗資料館の木志野主任専門研究員、「婦人画報」の今田龍子編集長、本間美術館の本間万紀子副理事長の5人が、月刊「SPOON」の佐藤晶子編集長の司会で「ひな祭りと日本のこころ」をテーマに意見を交わした。
「人形の寺」として知られる本鏡寺の田中さんは「住環境の変化などで雛人形を飾る家は減ってきたが、『祝ってもらった』という思いが人形を飾ることとともに次世代に受け継がれていく。正しい飾り方(楽しみ方、思い)を伝えて」、流し雛の伝統行事をまちおこしに生かしている池本さんは「親が子を思う気持ちを形にして後世に伝えたい」、今田さんは「一人一人が自分の好みのお雛さまを決め『会いにいく』ことで、日本の景色も良い方向に変わる」、雛人形の展示・交流イベントを続けている木さんは「お雛さま展は、職員との会話を含め楽しんでもらっている」など取り組みの様子や持論を述べた。
最後に、庄内ひな街道に中心的にかかわってきた本間さんが「雛人形に限らず各家庭の中のオンリー・ワンを次世代に伝えて。『雛の縁(えにし、雛人形が取り持つ縁)』を大切に、日本中に温かな交流の輪を広げよう」と結んだ。
講演に先立ち、酒田市の酒田マリーンジュニア合唱団、浜田ジュニア筝合奏団、鶴岡市の鶴岡放送児童合唱団が「お雛さまコンサート」としてそれぞれ合唱と合奏を披露、「ピュア(純粋)な歌声に心を打たれた」(今田さん)など、見事な演奏で喝采(かっさい)を浴びた。
0 件のコメント:
コメントを投稿